2014年3月16日日曜日

カシューナッツ

カシューは、中南米原産のウルシ科の常緑高木。
その種子はカシューナッツと呼ばれ、食用とされる。

[食用]
仁(「にん」、種子の中身)であるカシューナッツは、その歯ごたえと濃厚な食感が好まれる上、その約50〜70%を占める脂肪分に加え、炭水化物やタンパク質、ビタミンB1をはじめとするビタミン類、カリウム・リン・亜鉛などのミネラルと、5大栄養素を豊富に含むことから、人気のある食材となっている。
塩で味付けされた製品が、そのまま菓子や酒肴などとして良く食されるほか、調理の具材として、シチューやカレーのような煮物料理や、広東料理の腰果鷄丁(鶏肉カシューナッツ炒め)などの炒め物などに好んで利用される。
また、いわゆる2級品(味に差し障りはないが色目が斑あるいは褐色度の強いもの)の実は、すりつぶして加工し、ピーナッツバターに似た「カシューバター」の製造に利用されることが多い。

2014年3月11日火曜日

八宝菜

八宝菜(はっぽうさい、パーパオツァイ)とは中国料理のひとつである。もとは広東料理。五目うま煮とも。八宝菜の「八」は「8種類の」という意味ではなく単なる「多くの」の意味。

[調理法]
中華鍋に油を引き、豚肉やハムなど肉類、エビ、イカなど魚介類、シイタケやキクラゲ、タケノコ、ニンジン、ピーマン、白菜、玉ねぎ、チンゲンサイなどの野菜類、ウズラ卵など、多様な好みの具材を炒めあわせ、その後塩・醤油・黄酒・化学調味料などを素材に工夫次第のスープで軽く煮込み、最後に水溶き片栗粉でとろみをつける。

[起源]
清の李鴻章が世に広めたというが、その起源は諸説ある。
美食家の李が友人の家を訪ねた折、友人の妻が鳥を締め、ありあわせの野菜などを煮て出したところ、それが実にうまかったので李が世に広めた。
李がアメリカの苦力を激励に行った折、苦力が煮て食べていたごった煮が大変うまかった。それを世に広めた。

2014年3月3日月曜日

焼売

焼売(しゅうまい、広東語: シウマーイ)は、豚の挽肉を小麦粉の皮で包み蒸し調理した中華料理の点心。
中華人民共和国の広州や香港では広東語で「シウマーイ」と発音されている。日本語は広東語の発音を外来語として取り入れている。北京語では「シャオマイ」と発音し、同音の「燒麥」の字を当てる場合がある。

[概要]
現在の中国内蒙古が起源とされているが、中国国内では北京、山西省、広東省、山東省、浙江省、江蘇省等各地に広く普及している。香港では「干蒸燒賣(コンチェンシウマーイ)」という呼び方も一般的である。豚の挽肉とえびのみじん切りを主体とし、練り合わせて味付けした中身を薄い小麦粉の皮で短い円柱状に包み、蒸籠や蒸し器などで蒸かして仕上げ、好みで酢・醤油・辛子など調味料をつけて食べる。なお、中身にカニや牛肉を加えたり、包む皮の代わりにもち米をまぶすなどのバリエーションもある。
同じ点心の一つとして扱われる餃子との違いは、皮が薄い四角形(丸い皮もある)で、中に澱粉がやや多く配合されていること、必ず最初は蒸して調理すること、塩味などの味付けが強めで調味料で味付けせずに食べることもできるという点などが挙げられる。中国では蟹みそを付けたり、何も付けない例が多い。北京風の「燒麥」は皮の大きさが大きめで、中の具よりもはみ出た感じの形の物が多く、中身ももち米を入れている場合が多い。
上海に「日式焼売」があるが、切った細巻きのように見える焼売の具を使用した蒸し料理である。

[日本では]
材料には主に豚ひき肉と玉ねぎのみじん切りを使用。彩りとして頭頂部にグリーンピースが載せられる事が多い。これは、昭和30年代に大手冷凍食品メーカー日本冷蔵株式会社(現在の(株)ニチレイ)の開発者が、学校給食用にショートケーキのイチゴをイメージして考案したとされている。餃子と同様に焼いて(しばし一緒に)食べる事があり、また油で揚げて「揚げ焼売」にしても食べる。おでんの種など煮物に使用する事もある。中国のものと較べるとかなり香味が淡泊であり、醤油やポン酢などの調味料をつけて食べられることが多い。
一般家庭で作られることは少なく、チルド製品や冷凍製品、また調理の終わったものを店で購入するケースが多い。
焼売は横浜の名物として有名で、総務省統計局の「家計調査年報」でも家計における焼売への支出割合は横浜が首位である。これについては中華街の存在より、戦前から横浜駅の構内で焼売を売りに出していた崎陽軒の企業努力によるところが大きい。駅弁として冷めても美味しい焼売とするために、横浜中華街・順海閣の料理人(呉遇孫)が招かれ、ホタテの貝柱を入れることで成功、以後各地にこの方法は広まっていった。崎陽軒では「シウマイ」と表記している。

佐賀県の鳥栖駅でも名物として販売している。しかし販売会社の中央軒では焼売ではなく「焼麦」(読みも正確にはシウマイではなくしゃおまい)と称しており、北京語での当て字表記と同じである。

2014年2月24日月曜日

ふかひれ

ふかひれ(鱶鰭)は、大型のサメのひれ(主に尾びれや背びれ部分)を乾燥させた中華料理の食材である。

[概要]
中国でフカヒレが食べられだしたのは明の時代と言われている。潮州料理など、中華料理の高級食材として利用される。解れたものフカヒレをスープの具として使う料理や、ヒレの形のままじっくりと煮込む料理がある。ジンベエザメ、ウバザメのものが最も高級とされ、アオザメ、イタチザメなどのものも高級である。一般的には、ヨシキリザメのものが使用されることが多い。

日本は世界有数のふかひれ生産国であり、江戸時代にはナマコ、アワビと共に中国(明、清)へ輸出されていたが、近年ではシンガポールやインドネシアの生産量の方が高い。日本では気仙沼の水揚げが最も多いが、この多くはマグロ延縄漁業の際に釣れたサメからとられたものである。日本の気仙沼産が有名で且つ高級品として扱われるのは、加工技術が優れているためと言われる。日本は世界有数のふかひれ生産国ではあるが、最近では日本の漁船に従事する人にはフィリピン人やインドネシア人等が多くなり、彼らの国にも日本漁船が寄航する機会が増えた。この時に漁に従事したフィリピン人やインドネシア人が、フカヒレを持って下船する例が増えたために日本国内へ持ち帰られるフカヒレは以前よりかなり減ったと言われている。

[調理法]
調理する際は、乾燥したフカヒレをまずネギやショウガとともに茹で、さらに蒸した上で皮を剥き、水にさらす。このように下処理をしてから上手に煮込むと臭みが消え、軟骨魚特有の柔らかなゼラチン質の食感が楽しめる珍味となる。

[人工ふかひれ]
数百円程度の廉価で販売されている「ふかひれ」は、エイのヒレで代用したものや、春雨や湯葉を使って本物に似せた「人工ふかひれ」である。本場中国を謳う料理店の出す「姿煮」にも人工ふかひれが使用されているケースがある。
中国・山東省では、工業用にかわをホルムアルデヒドで浸した偽ふかひれが摘発されたことがある。

サメの乱獲によるふかひれの供給不足や中国におけるふかひれの需要の増加などのため、天然ふかひれは価格が高騰しており、人工ふかひれの需要が日本でも本場中国でも高まっている。日本では豚のゼラチンなどを原料とした天然物に味や食感が非常に近い人工ふかひれの製造販売も行なわれている。

2014年2月23日日曜日

棒棒鶏

棒棒鶏(バンバンジー)は、蒸し鶏に芝麻醤などゴマのソースをかけた四川料理である。

[概要]
焼いた鶏肉を棒で叩き柔らかくしたことから、「棒」の漢字が使われたと言われている。元々の作り方では鶏肉を手で細かく裂いていた。包丁で切り分ける料理法もある。
中国では鶏肉のみで他の具を加えないのが一般的である。味付けも四川料理らしく唐辛子の辛味を利かせた料理である。
日本では一般的に辛い料理でないことが多い。クラゲやキュウリなど具を加えることもある。これは麻婆豆腐や海老チリと同じように、陳建民が日本人向けに紹介した辛くないレシピが広まったものである。


2014年2月22日土曜日

炒飯

チャーハン(炒飯)は白飯を様々な具と共に油で炒めた中華料理。英語ではFried riceと言う。

[概要]
チャーハンは、炊きあがった白飯を様々な具と共に油で炒めた料理。日本以外のアジアでは揚州炒飯や福建炒飯が有名である。生米を炒めてから煮るパエリアや炒めた生米を炊くピラフが存在するが、それらとの混同も見られる。
次のように呼ぶ日本の地域もある: 焼飯(やきめし)、炒飯(いりめし)、炒めご飯(いためごはん)。また類似の料理は東アジアと東南アジアで広く見受けられ、例を挙げれば韓国ではポックムパプ、北朝鮮ではギルムバプ、タイ王国ではカーオパット、インドネシアとマレーシアではナシゴレン、ベトナムではコムチェン として定着している。中国語の音表記はチャオファンに近い。
家庭料理ともされており、また加熱するだけで調理が完了する冷凍食品・インスタント食品など、幅広い製品が出回っている。自動炊飯器(ご飯の保温も兼ねる)普及以前から、冷めてしまった残りご飯の利用法としても用いられる。

日本の中華料理屋および各家庭では、箸ではなく中国スタイルでレンゲもしくはスプーンを用いて食される。

[材料]
基本的に、米飯・卵・食用油・調味料を用いる。
そのほかの食材として、ハム、ベーコン等の肉類、エビやカニなどの海産物、ネギやグリーンピースなどの野菜が使用される。
タイのパイナップル入り炒飯、「カーオ・パット・サッパロット」のように、果物を入れる場合もある。
べたつかないためには、水分の少ない米飯を使用する。インディカ米はこれに適していると言われる。

炒め油は、店で多く使用されるものはラードだが、家庭では植物油の使用頻度が高い。

2014年2月20日木曜日

小籠包

小籠包(しょうろんぽう、上海語: ショーロンポー、普通話: シァオロンパオ)は、中華圏で食べられている中華料理の点心の一種。小籠湯包あるいは小籠包子とも呼ばれる。
小籠包は豚の挽肉を薄い小麦粉の皮で包んで蒸籠蒸しした包子である。特徴として薄皮の中に具と共に熱いスープが包まれている。上海が起源と言われており、一説には上海市の西北にある町、南翔で発祥したとされる。

[概要]
一説によれば小籠包の起源は1871年に中国の嘉定県南翔鎮(現・上海市嘉定区南翔鎮)の菓子屋「古猗園」の店主黄明賢が売り出した「南翔大肉饅頭」にあるといわれている。南翔大肉饅頭は好評を博したため同業者からすぐに真似された。その後工夫を凝らして具を大きく皮を薄くし、簡単に真似ができないよう技術的な改良を加えた「古猗園南翔小籠」を販売し、たちまち有名な饅頭としてもてはやされた。当初より現在まで「南翔小籠包」と呼ばれ、これが今日の「小籠包」という名称となっている。「古猗園」店主黄明賢の弟子である呉翔升が1900年に開店した老舗「長興樓」(のちに「南翔饅頭店」に改名)が1920年ごろに売り出したところ、上海で人気を呼び、現在は上海の名物点心となっている。
この説は南翔饅頭店の観光案内などに使用されるもので、歴史的資料に基づかない同店舗の宣伝の可能性がある。

[特徴]
大きさは一般的な肉まん(肉包子)と比べてかなり小ぶりで直径は約3センチメートル程度。大きさからいえば焼売に近い。皮は小麦粉を半ば発酵させ、よくこねたものを円形に薄く延ばし広げて作る。特徴のスープは元々のレシピでは豚皮を煮込んで冷やした肉皮凍という煮こごり(ゼラチン)を豚の挽肉に混ぜ込むが、現在は鶏のゼラチンを用いたり、中には豚皮・牛骨・鮫の軟骨を加水分解で工業的に加工して作った食品用ゼラチンを用いるものもある。このゼラチンが蒸籠の高温で蒸され、溶けてスープとなる。
熱々の肉汁(スープ)を含んだジューシーな味わいがその最大の特徴となっている。したがって、冷めたものではその特徴を味わえず、蒸したてを火傷しないよう気をつけながら、箸でつまみ、レンゲでスープをこぼさないようにして味わう。
通常は、薄い皮の折ひだを14以上作り、具を包む。具には白菜や、シイタケ、クログワイなどの野菜類やキノコ、エビやフカヒレなどを少量混ぜた豚の挽肉を入れる。豚肉には皮や皮下脂肪の部分も混ぜ、ゼラチン分が含まれるようにする。この他、上海で名物となっている上海蟹の身を入れた蟹肉小籠や、雌の内子を入れた蟹黄小籠もあり、高級品として特に珍重され、また蟹を捌(さば)く職人の名人芸は、上海観光の楽しみのひとつにもなっている。

たれは酢(鎮江香醋、いわゆる日本でいう黒酢)だけか、これに醤油を混ぜたものを用い、これに千切りにしたしょうがを混ぜる。日本の焼き餃子のようにラー油を使うことは中国ではまれである。すでに味付けされ、たれが不要のものもある。