2014年4月30日水曜日

愛玉ゼリー

アイギョクシ(愛玉子)はクワ科イチジク属のつる性植物。その果実から作られるゼリーのデザートを愛玉ゼリー台湾語でオーギョーチという。
愛玉子という名の由来は、台湾通史の「農業志」に記載があり、実を水の中で揉みだすと固まる性質を発見した人が愛娘の名「愛玉」にちなんでつけたものとされている。

[概要]
愛玉子は植物の中でもとりわけペクチンの含有量が多いため、寒天などのように加熱することなく固まる珍しい特質がある。乾燥したひとつかみの種子を布袋に入れて水の中で10分程度揉んでいると、果実をくるむペクチン質の部分が溶け出て水を吸ったゲル状に膨潤し、弾力性が出てくる。それを2時間ほど放置すれば常温で寒天状の愛玉子ゼリー(オーギョーチ)ができる。用いる水に適度のカルシウムが含まれていなければ凝固しないため、蒸留水や軟水では作れない。また油分によっても凝固が妨げられる。通常は氷水や冷蔵庫で冷やして食べる。愛玉子ゼリーそのものには際立った味や強い甘みがなく、一般的にはレモンシロップなど甘みのあるシロップをかけて提供される。台湾の夏の風物詩で、屋台やデザート店、レストランなど幅広い場所で食べることが出来る。タピオカティーを販売するドリンクスタンドでは、愛玉子ゼリー入りの飲み物が定番商品として販売されている。

2014年4月29日火曜日

青椒肉絲

青椒肉絲(チンジャオロウスー、主に「チンジャオロース」、Green pepper steak)は、ピーマンと細切りにした肉などを炒めた中華料理である。
発祥の中国においては豚肉を使用するのが標準であり、牛肉を使用した場合「青椒牛肉絲(チンジャオニウロウスー)」、もしくは短縮して「青椒牛肉」、「青椒牛」などと表記する。日本の場合、牛肉を使用していても「青椒肉絲(チンジャオロース)」の名で呼ばれることが多い。

[概要]
「青椒(チンジャオ)」とは辛みを抜いて品種改良した唐辛子(現代ではピーマン、ししとうなど)の緑色の果実を指し、「絲(スー)」とは細切りのことを指す。つまり青椒肉絲とは、ピーマンなどの細切りと肉材の細切りを炒めた料理のことをいう。中国の素朴な作り方では老酒と塩のみを調味料として使用するとされる。
現代の一般的な調理法としては、下味を付けた豚肉ないし牛肉の細切りと、ピーマン、タケノコ、タマネギ、モヤシ、ネギなどの野菜の細切り、調味料には醤油、酒、ショウガ、ニンニク、胡椒、オイスターソース、片栗粉、そして油は胡麻油が使われることが多い。
青椒肉絲の起源は古くから豚肉を調理した福建料理に端を発するともいわれる。四川料理とされることも多いが、現代においては辛みよりも旨みを重視する広東風のものがポピュラーであり、オイスターソース(カキ油)、酒(紹興酒など)、砂糖などを使って甘辛く調味される。一方、四川風のものでは豆板醤や醤油などを使って辛味を効かせて仕上げられる。
中国だけでなく、北米、ヨーロッパ、日本などの華僑により伝えられ世界中でポピュラーな中華料理として定着している。アメリカでは、豚肉よりも牛肉が好まれるため牛肉を調理し濃いめの味付けがされているなど、材料や味付けを変えてその土地の嗜好に合わせた料理に変化している。多くの日本のものはアメリカスタイルの影響を受けているといえる。
なお、中国では、単に「肉」と表記した場合は豚の肉である「豬肉」のことを指し、他の肉の場合にのみ種類がわかるようにすることが多い。

2014年3月31日月曜日

芝麻球

芝麻球(日本語発音:ちーまーちゅう、ちーまーかお)は中華料理の甜点心(甘い点心)、菓子の一種。日本では(揚げ)胡麻団子、ゴマタマとも呼ばれる。中国語では麻球(マーチュウ)、芝麻棗(チーマーザァオ)などの別名もある。
胡麻餡を白玉粉に水と胡麻油を混ぜた生地で包み、まわりに白胡麻または黒胡麻をまぶし揚げて作る。胡麻餡の代わりに小豆の漉し餡を使ったり、蓮の実餡を使うなどのバリエーションもある。また、中に餡を入れず、暖まった空気で中空に膨らませ、大きく揚げるものもある。
マレーシア、インドネシアにはオンデオンデと呼ばれる餅菓子がある。キャッサバともち米を練り合わせた餅皮の中に 、黒砂糖とココナッツなどの餡を入れ、茹でる、揚げるなどの調理をする。餅皮に香り付けと色づけのパンダン(タコノキ科植物の葉)を混ぜたオンデオンデは鮮やかな緑色をしている。外側にはココナッツ・パウダーを塗す。インドネシアでは華僑の持ち込んだ芝麻球も、オンデオンデのバリエーションの一つとして定着している。

2014年3月22日土曜日

ラー油

ラー油(辣油、ラーゆ)とは唐辛子などの香辛料を植物油の中で加熱して辛味成分を抽出した調味料である。「辣」とは熱を伴う辛さのこと。
中国料理・四川料理(特に麻婆豆腐や担担麺など)の調味料、薬味として用いられる。

[中国では]
日本における市販の製品や中華料理店で見られるラー油は油成分のみのものが多いが、中国の食堂やレストランに置かれているラー油は油で熱した際の焦げた唐辛子などの薬味が器の底に沈んだまま提供されている。中国人はその薬味とともにラー油をすくって料理に使用するケースが多い。製法や風味は店舗や地域によって多少異なるが多くの場合日本のボトル詰め製品より香りが強く、また口に入れたとたん噎せ返るほど辛味が強いものもある。

[日本では]
日本では2000年代中盤まで油成分のみのラー油が主流で、単品として販売されるほかチルド食品の餃子にラー油の小袋が添付されるなどの形で見られる。
2000年代以降、辛さは控えめで香味具材(一部地域ではこの香辛料を「すな」と呼ぶ)が入った製品の人気も高まっており、ラー油市場は2004年から2008年の5年間で規模は120%に拡大したとPOSシステムなどから推定される。ブームの発端の一つとして沖縄系ラー油があり、特に有名な「石垣島ラー油」はマスコミで頻繁に取り上げられ他に久米島の素材を使った「くめじまラー油」も存在する[1]。また、2008年には京都府太秦にある中華料理店が販売するラー油が東映京都撮影所での仕事が多い芸能人の紹介によって話題になった。
2009年8月には桃屋が食べるラー油「辛そうで辛くない少し辛いラー油」を発売して品薄状態が長期間続くほどの人気を博し、2010年3月にエスビー食品が対抗商品として「ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛」を発売。さらに飲食業界が追従して食べるラー油を加えたアレンジメニューを出すなど、具入りラー油の製造・販売は活性化の傾向を見せている。ただし、具の入ったラー油そのものは上述の通り中国に古くから存在しており、日本では李錦記の「具入り辣油」が以前より輸入されている。なお、すき家では,「食べラー・メンマ牛丼」と言うメニューを販売している。

2014年3月18日火曜日

上海料理

上海料理(しゃんはいりょうり)とは、中国の上海市を中心に食べられている、中華料理の江蘇料理(淮揚料理)の菜系に含まれる代表的な郷土料理の一つ。上海蟹、小籠包、生煎饅頭は日本でもよく知られた代表的料理である。

[概要]
上海では地元の流派の料理という意味で「本幇菜」(ベンバンツァイ、上海語 ベンバンツェ)とも呼ばれる。
上海の周辺に位置する江蘇省や浙江省一帯は、俗に「魚米之郷」と称され、魚介類と農産物が豊富な平野である。上海料理の源流は、江蘇省の蘇州や揚州で食べられている江蘇料理や浙江省の寧波や杭州の浙江料理で、長江の河口に近いという地の利から、18世紀以降、これらの地域から移り住んだ人々によって大都会へと変貌する中で、持ち込まれたふるさとの食文化が融合して形成された。さらに20世紀以降に広まったロシア料理、フランス料理などの西洋料理の手法や調味料をも取り入れて、より豊富なものへと変貌した。
江蘇料理の流れを組んで、酒、酒粕、醤油、黒酢などの醸造品や、砂糖、麦芽糖を多用するため、甘く濃厚な味が特徴。また、寧波料理の海鮮料理や長江、太湖などの淡水産の食材も多用される。

[歴史]
上海料理に大きく影響を与えた地域は時代により色々変わっている。最初に安徽料理があり、次いで寧波(豚油を使う)、揚州(塩味)、蘇州(甘味、醤油、黄酒と黒酢がよく使われる)の料理が現在の上海に最も影響を与え、全体の風味を形成した。19世紀になって、開港され、後に租界が形成されると、西洋料理からも手法や調味料を取り入れ、さらに、中華人民共和国建国後は広東料理、四川料理などからも手法や味を取り入れた。近年は、高級店や若年層を中心に欧州志向が特に強く見られ、それらは「ヌーベルシノワ」(新中華料理)とも呼ばれる。

2014年3月16日日曜日

カシューナッツ

カシューは、中南米原産のウルシ科の常緑高木。
その種子はカシューナッツと呼ばれ、食用とされる。

[食用]
仁(「にん」、種子の中身)であるカシューナッツは、その歯ごたえと濃厚な食感が好まれる上、その約50〜70%を占める脂肪分に加え、炭水化物やタンパク質、ビタミンB1をはじめとするビタミン類、カリウム・リン・亜鉛などのミネラルと、5大栄養素を豊富に含むことから、人気のある食材となっている。
塩で味付けされた製品が、そのまま菓子や酒肴などとして良く食されるほか、調理の具材として、シチューやカレーのような煮物料理や、広東料理の腰果鷄丁(鶏肉カシューナッツ炒め)などの炒め物などに好んで利用される。
また、いわゆる2級品(味に差し障りはないが色目が斑あるいは褐色度の強いもの)の実は、すりつぶして加工し、ピーナッツバターに似た「カシューバター」の製造に利用されることが多い。

2014年3月11日火曜日

八宝菜

八宝菜(はっぽうさい、パーパオツァイ)とは中国料理のひとつである。もとは広東料理。五目うま煮とも。八宝菜の「八」は「8種類の」という意味ではなく単なる「多くの」の意味。

[調理法]
中華鍋に油を引き、豚肉やハムなど肉類、エビ、イカなど魚介類、シイタケやキクラゲ、タケノコ、ニンジン、ピーマン、白菜、玉ねぎ、チンゲンサイなどの野菜類、ウズラ卵など、多様な好みの具材を炒めあわせ、その後塩・醤油・黄酒・化学調味料などを素材に工夫次第のスープで軽く煮込み、最後に水溶き片栗粉でとろみをつける。

[起源]
清の李鴻章が世に広めたというが、その起源は諸説ある。
美食家の李が友人の家を訪ねた折、友人の妻が鳥を締め、ありあわせの野菜などを煮て出したところ、それが実にうまかったので李が世に広めた。
李がアメリカの苦力を激励に行った折、苦力が煮て食べていたごった煮が大変うまかった。それを世に広めた。